3月20日 午前10時より、カープ屋内練習場横にある【カープ誕生物語 像】の除幕式が開催され、光栄な事に私もご招待頂きました。
式には、【カープ誕生物語】の著者、故中沢啓治さんの奥様はじめ、企画の主催者である中国新聞社長様や共同で企画された広島東洋カープの松田副オーナー様、元カープの外木場様などなど、恐縮ながらとても著名な方々と肩を並べさせて頂きました。
この【カープ誕生物語】をテーマにした銅像は、【はだしのゲン】でも知られる、故中沢啓治さんの作品をもとに、被爆から復興していく広島と、被爆孤児の主人公達がカープ球団の誕生に喜んでいる様を表したものです。
弊社の担当は、この銅像を取り巻く時代の流れを表現する背景づくりでした。
塀の左側より右へ向かって、被爆直後⇒バラック(復興)⇒旧市民球場の石積⇒現在の球場 のレンガの流れで歴史を表現しています。
また、被爆を表現する壊れたの壁面下に散らばるレンガや瓦、電車の敷石等は実際に被爆したものをご提供頂いたものです。
設計にあたり原爆資料館や原爆ドームを視察する中、改めて戦争の恐ろしさや悲しさを再確認しながら、この事実を後世に伝える事。そして希望を失った市民にとって、カープ球団というものがいかに心の支えになったかを感じながら図面作成を始めさせて頂きました。
↓被爆レンガは、廿日市市の藤沢様より約100個、被爆瓦は原爆資料館(広島市)より約2000枚、市電の敷石とレールは広島電鉄様よりご提供頂きました。↓原爆ドームを観察し、レンガ造りの躯体からモルタルが剥がれた造形
↓古トタンとモルタル造形で製作した板張りで、復興に向けてバラック小屋を建てて行く様子を表現しました。
↓広島電鉄様より資材のご提供と、施工のご指導を頂いた敷石とレール
↓被爆から75年間は草木も生えないと言われた広島で、わずか一ヶ月後に咲いたカンナの花。
その画像をイメージしてカンナの苗を植えました。
戦後70年。そしてカープ誕生65周年。
このとても意味深い仕事に携われた事は、あってはならないこの悲しい出来事を後世に伝える事と、自分たちがどのように社会に貢献できるかを考える機会となりました。
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